正字体のニューシネマAに対して、ニューシネマBは略字体を採用し、さらに“空気穴あき”という映画字幕特有のデザインが施されています。
また、独特な個性をもつBは古い映画のイメージや手書きの雰囲気を表現するのに最適な書体です。

空気穴とは
かつての字幕制作は、映画フィルムに薬品を塗布して直接文字の形の凸版を押しつけ、画像に穴を空ける方式(タイプ方式)でした。この方式だと、例えば「口」「田」などの文字の線で囲まれた内側部分が抜け落ちて「■」のような状態になってしまいます。この問題を解消するために、文字の一部分に“空気穴”と呼ばれる切れ目が入れられるようになりました。また、実際の凸版は一文字の大きさが1mm以下と非常に小さく、文字が潰れてしまうのを防ぐために独特の略字も用いられるようになりました。
現在では技術の進歩でレーザー方式が主流となり“空気穴”をあける必要がなくなりましたが、フォントワークスではこの字幕特有の懐かしい味のある“空気穴”がある書体(ニューシネマB-D)と、ない書体(ニューシネマA-D)の2種類を、LETS会員様向け書体としてリリースすることにしました。

書体デザイナーからのコメント:
字幕文字に必要な条件は、読むことを意識しないでも頭に入る、ということ。
パッと目に入って、スッと文字を追いやすく、画面の雰囲気に自然に溶け込んで、観る人に“字幕の存在”や“書体デザイン”を意識させないことが重要です。つまり空気のようでいて、クセやアクのない、嫌みな自己主張をしない、自然な雰囲気の書体です。文字の横幅は均等ではなく、漢字と仮名のバランスを調整しています。 また、濁点と半濁点が大きくて明快な点も特徴です。古さや新しさを感じさせない、温もりと優しさを併せ持つ独特のデザインです。

書体見本