組込みフォントの基礎知識

トピック2:デジタル以降の文字の歴史

フォント世界の分かりにくさは、歴史的経緯の複雑さも要因の一つです。ベンダーが作った事実上の標準(デファクトスタンダード)が先行し、それをJISやISOなどの標準化機関の標準(デジュールスタンダード)が追認したりと、事情が入り組んでいます。またそのベンダーにしても、汎用機メーカー、マイクロソフト、アップル、DTPのリーディングカンパニーであるアドビなど、多くプレーヤーが関与しています。

歴史を紐解いてみて初めて腑に落ちることもあると思います。ここでは、大まかな流れを把握できるよう重要なトピックを時系列で見ていきます。

年代 世界 日本・デジュール 日本・デファクト 解説
1963ASCII誕生最も基本的な文字コードが、この年アメリカで誕生しました。
1969JIS X 0201 制定日本工業規格が定めた最初の文字コード規格です。半角の英数字と半角カナが扱えるようになりました。
1973ISO/IEC 2022 制定2バイトの文字コードを扱えるようになりました。
1978JIS X 0208 制定(78JIS)全角のかなや漢字(漢字第1水準・第2水準)が扱えるようになりました。
1979ホスト系文字コード1977〜79年にかけ、汎用機メーカー(富士通、日本電気、日立製作所、IBM)が各社の文字コードを開発します。JISにないものは外字として定義しました。
1982Shift_JIS 誕生JIS X 0201の半角カナと、JIS X 0208の全角とを同時に扱えるようになりました。
1983JIS X 0208 改正(83JIS)字形の変更が行われました。有名なところでは「鷗」→「鴎」などです。
1985EUC-JP 誕生UNIX上で日本語の文字を扱えるようになりました。
1987ISO 8859-1/2 制定ラテン文字を使用する言語の統一的な規格化が始まりました。
1990JIS X 0208 改正(90JIS)90JISの字形がShift_JISとともにその後パソコン普及期に乗って広く行き渡りました。
JIS X 0212(補助漢字)制定補助漢字はあまり広まりませんでした。
Postscript日本語フォント出荷開始アドビが開発したページ記述言語Postscript上で日本語が本格的に扱えるようになり、日本のDTPの幕開けとなりました。
1991Unicode 1.0.0 発表世界中の文字を1つの文字セットで表す試みが始まりました。
1992日本語版TrueType出荷開始アップルとマイクロソフトが共同開発した、アウトラインフォントがリリースされ、DTP以外の用途で普及していきました。
1993ISO/IEC 10646(CJK統合漢字)制定中国・日本・韓国の漢字を1つの体系で表す試みが始まりました。
Adobe-Japan1-0発表アドビが文字集合(8,284字)を定めました。最新はAdobe-Japan1-6(23,058字)です。
1997JIS X 0208 改正(97JIS)漢字の包摂規準が明示されました。
2000JIS X 0213(拡張漢字)制定(JIS2000)漢字第3水準・第4水準が定められました。
GB18030制定(中国国家規格)元々の規格GB2312の上位互換として、最大4バイトの100万字以上の符号化を可能にしました。
2001日本語OpenTypeフォント出荷開始アドビとマイクロソフトが共同開発したOpenTypeは、今に続くDTP標準のフォント形式です。Adobe-Japan1-3以上の文字セットに対応しています。
2004JIS X 0213 改正(JIS2004)しんにょうが一点から二点になるなど、168字の字形が変更されました。その後、Windows Vista以降のバンドルフォントでは、JIS X 0213:2004例示字形に変更されました。また、OpenTypeではフォント名に“N”の記載があるものは2004例示字形を採用しています。

ご注意
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