組込みフォントの基礎知識

トピック4:組込みフォントの形式

ここでは、フォントの組込みに必要な技術要件について概説します。組み込む対象に応じて採用を検討することとなります。

1. ビットマップフォント

概要・特長

字形をドットで表現したフォントです。初期のPCなどによく用いられていました。フォント自体のデータが軽く、また描画の負荷も低いため、CPUやメモリ等のリソースが軽い機器に適しています。

種類

よりデータの軽い2値画像のものと、アンチエイリアスを使ってスムーズな輪郭を実現したグレースケールのものがあり、弊社では4階調もしくは16階調ビットマップフォントの納品実績があります。

ビットマップFONT(ポディサイズ24×24ピクセル)

利点・欠点

ビットマップフォントも、アウトラインフォントも、表示されたときには同じくドットに展開されています。しかし、ビットマップフォントは一文字ずつ職人が目で確認しながらドットを置いたものです。したがって、文字サイズが小さい場合には、ビットマップフォントのほうが人為的に字形を整えており、アウトラインフォントより読みやすくなっています。
裏を返せば、拡大や縮小を行うと字形が崩れ、判読困難となります。よって、サイズ・ウェイトごとにフォントを用意する必要があります。種類を多く組み込んでしまえば、データが軽いという利点を損なうこととなります。

使用事例

様々な機器の表示パネル、デジタルカメラや携帯音楽プレーヤーのメニューに採用実績があります。

2. アウトラインフォント

概要・特長

字形の情報をその輪郭線のベクトルデータとして持っているフォントです。拡大してもジャギーになることがなく、よって、当初は印刷機器などドットが高密度なものに用いられましたが、PCの処理能力の向上とともに、後には画面表示にも利用されるようになりました。

種類

TrueTypeとOpenTypeがあります。フォントワークスで提供するものは以下のような仕様の違いがあります。(※これらの仕様は固定的なものではなく、カスタマイズしてご提供することも可能です。)

《OpenType》

  • 従属欧文:プロポーショナル
  • 文字セット:Adobe-Japan1-3, Adobe-Japan1-4, Adobe-Japan1-5, Adobe-Japan1-6
  • 記述方式:3次ベジェ曲線(PostScript/CFF)

《TrueType》

  • 従属欧文:プロポーショナルか半角等幅かを選択
  • 文字セット:CP932
  • 記述方式:2次Bスプライン曲線

利点・欠点

ベクトルデータですから、任意の文字サイズに拡大縮小することが可能です。画面表示だけでなく、プリントアウトしても高精細な結果を得られます。ただし、必ずフォントレンダリングエンジンと組み合わせなければなりません。

使用事例

カーナビゲーションシステム、電子書籍リーダー、スマートフォンアプリなどに採用実績があります。

3. フォントレンダリングエンジン

概要・特長

アウトラインフォントのベクトルデータを、表示器のドットに展開する処理(ラスタライズ)を行うのが、フォントレンダリングエンジンです。そのため、単に「ラスタライザー」と呼ぶこともあります。

種類

組込みでは、WindowsやAndroidなど一般的なOSを利用する場合、OSが提供する機能を利用することが多いことと思います。独自OSでの組込みや、OSの提供する機能では満足できない場合には、フォントレンダリングエンジンの検討が必要です。

使用事例

アーケードゲーム機やカーナビゲーションシステムなどに採用実績があります。

4. レイアウトエンジン

アラビア語やヘブライ語は、右から左へと記載し、しかも単純に字形を並べるだけでは文意をなしません。その他にもタイ語、ヒンディー語、ベンガル語などの多くの言語が、複雑なテキスト配置を要求します。これらを表示させるのに必要なのがレイアウトエンジンです。上述のフォントレンダリングエンジンとは別の構造として動作します。

レイアウトエンジンを必要とする主な言語は以下の通りです。

  • アラビア語(エジプト、サウジアラビアなどの中東)
  • ヘブライ語(イスラエル、パレスチナ)
  • ペルシャ語(イラン、 アフガニスタなど中央アジア)
  • ヒンディー語(インド)
  • ベンガル語(インド、バングラデシュ)
  • グジャラート語(インド、ウガンダ、パキスタンなど)
  • カンナダ語(インド)
  • マラヤラム語(インド)
  • マラーティー語(インド)
  • パンジャーブ語(インド、パキスタン)
  • シンハラ語(スリランカ)
  • タミール語(インド、スリランカ、シンガポール、マレーシア)
  • テルグ語(インド)
  • ウルドゥ語(インド、パキスタンなど)
  • クメール語(カンボジア、ベトナム)
  • マレー語(マレーシア、シンガポール、ブルネイ)
  • モンゴル語(モンゴル、中国 内モンゴル自治区)
  • タイ語(タイ)

ご注意
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