1. HOME
  2. フォントワークスマガジン
  3. 【フォントを巡る冒険 第2回】ブリスベンの街中にて

magazine

2019.08.07

【フォントを巡る冒険 第2回】ブリスベンの街中にて

こんにちは、営業部・安藤です。

「フォントを巡る冒険」第2回は、私の海外旅行記をお届けします。

おいおい、「フォントを巡る冒険」シリーズは、「今会いたい方に会いに行くシリーズ」じゃなかったの?という突っ込みが聞こえてきそうですが、「今会いたい方に会ったり、見たいものを見に行ったりするシリーズ」に早くも方針転換します(笑)。何卒ご容赦下さい!

 

さて、昨年は1月にドイツ、8月にセルビアと一人旅を行いましたが、今年も7月下旬に安定(!)の一人旅を敢行しました。元々はロシア・ウラジオストクに旅行予定でしたが、予定変更にて今回はオーストラリア・ブリスベンに向かいました。

 

 

オーストラリアで、ラグビーが見たい!

今回の旅の主目的は「オーストラリアで本場のラグビーを体感すること」。

今年9月、ラグビーワールドカップが日本で初めて開催されますが、前回(2015年)のイングランド大会でベスト4を独占した南半球の強豪4ヵ国(オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、アルゼンチン)が競う大会を現地観戦したいと考え、オーストラリア代表戦が開催されるブリスベンに旅行先を急遽切り替えたという訳です。

出発当日。羽田空港を発ってから約7時間後、経由地のシンガポール・チャンギ空港に到着すると直ぐに乗り継ぎ準備を開始。

カウンターでブリスベン行きの航空券を発行してもらった後、中国語(シンガポール=簡体字圏)、マレー語の新聞を急いで買い込み、カフェでコーヒーを飲みながら新聞鑑賞。ボリス・ジョンソンがイギリス保守党の党首に選出された記事をぼんやり眺めていると、あっという間に搭乗時間が近づいてきました。

カフェ近辺を写真に収めてカンタス航空52便に搭乗、一路ブリスベンへ。

 

 

「美意識」の高さを感じた街・ブリスベン

ブリスベンはオーストラリアのシドニー、メルボルンに次ぐオーストラリア第3の都市と言われ、高い人口増加率を誇り、居住者の2割以上は海外出身。ブリスベン中央駅(Central Station)到着後に辺りを見渡すと、確かにあらゆる人種の方が街を闊歩しているし、アジア人も事前の想定以上にいるようでした。

道行く人達を興味深く眺めながら、「現地の新聞・雑誌を買い込む」「街中の看板を見る」という旅行時のルーティンが早速発動!

 

オーストラリアは物価が非常に高く、500mlのミネラルウォーター1本が3豪ドル(240円)程度。新聞・雑誌も軒並み高かったですが、怯むことなくキオスクで複数メディアを複数部購入していきました(笑)。

今回の旅行にも持参した30cm定規を活用して、街中の休憩スペースで新聞を綺麗に折りたたみ、クリアファイルに挟んで、という作業をテンポ良く繰り返す。作業がひと段落したら、今度は看板鑑賞の為にブリスベン市街へ。

真冬だというのに、快晴で日差しが日本以上に厳しい。でも湿度が無い分、非常に快適。

何より、目に飛び込んでくる看板が軒並み洒落てて、足取りも自然と軽くなる。看板にはシンプルだけど見やすくてデザイン性の高いサンセリフ体が頻用されていました(欧文/多言語ライセンス『Monotype LETS』には、こういったフォントが多数収録されています!)。

 

そうこうしているうちに、念願のラグビーの試合当日。

ホテルから徒歩で、試合会場となるサンコープスタジアムへ。道中パブが軒を連ねており、皆一様にビールを腹に流し込んで、試合前に随分と陽気になってました。

 

肝心のオーストラリア代表とアルゼンチン代表との試合は、ディフェンス重視のタイトな試合となりましたが、オーストラリア代表の膝下目がけた鋭いタックル、守備力を存分に堪能出来て良かったです。本音を言えばトライを沢山見たかったけど(両軍合わせて2トライだったので笑)、それはワールドカップでのお楽しみとしましょう。

何より、サンコープスタジアムの美しさは息を呑むほどで、芝の整備具合やグラウンドと観客席との距離、座席の傾斜も観戦に適していて、やっぱりオーストラリア来て良かった、とホテルまでの帰路、ひとり噛みしめていました。

新聞・雑誌、看板、そしてスタジアムとどれをとっても一級品。街の隅々までに「美意識」が行き届いているように感じて、オーストラリアという国が一層好きになった、そんな旅となりました。

 

 

忘れられない旅の思い出について

ブリスベンの街中で写真を撮っていた際に、バスキング(道端で芸を披露してお金を稼ぐこと)を行う女性に偶然遭遇しました。

日本語の書道作品が多く並べられていたので勇気を出して声を掛けてみるとやはり日本の方で、突然の声掛けにも気さくに応じてくれました。その場では名刺を頂き、筆者の帰国前日にブリスベンの絶景スポットと言われる「カンガルーポイント」のバーで、じっくりお話を伺う機会を得ました。

 

濱本有紀さん(Facebook @suiki.hamamoto / Instagram @suiki.japan)は関西の大学を卒業後、日本のメディア企業に11年勤務していたそう。ただ、学生時代にバックパッカーとしてアジア、欧州を中心に計25か国を回り、「前世はマグロだったと思う」というくらいアクティブな彼女にとって日本は狭かったのか、昨年初めに退職。その後ブリスベンに移住し、現在は社会人、学生、そしてバスキングと多忙な日々を過ごしているとのこと。

”Travelling Japanese Calligrapher”という素敵過ぎる肩書を持つ彼女は、書道6段の腕前を生かして、ブリスベンだけでなく旅先などでも積極的にバスキングを行っていきたいと語っていました。

 

ひととおり濱本さんの話を聞いた後、彼女から「オーストラリア人の彼氏が対岸で飲んでいるようなので、この後合流します?」と提案を受け「是非!」ということで、無料フェリーに乗ってブリスベン川を渡り、対岸にあるバーに到着。

彼氏のジェイソン、そしてジェイソンの親友で日本語が理解出来るゴールドコースト出身のリロイと合流、4名でしこたま飲みました。

 

実はジェイソンも大道芸人。手品を中心とした腕前は見事で、濱本さん曰く「週の後半しか働かないのに、私よりも稼ぎが良い(笑)」。しかも、日本のアニメが大好きで、腕やふくらはぎに人気キャラクターのタトゥーがびっしりと彫られていました。

体重100kgを優に超える大男のジェイソンに文字通り豪快に抱きかかえられたり、リロイとはラグビーの真似事をしたり、音楽に合わせて4人で踊ったりしているうちに盛り上がり、遂には濱本さんとジェイソンが自宅に連れて行ってくれるというので、お言葉に甘えてカンガルーポイントにある二階建ての瀟洒な自宅へタクシーで移動。濱本さんと買い出しで購入した赤ワイン片手に、深夜まで語り合かしました。

自宅でも、ソファに座って日本の人気アニメ『七つの大罪』を英語字幕で鑑賞するジェイソン。そんな彼を眺めながら語らう濱本さんと筆者。酔いつぶれて下の階で爆睡するリロイ。異国の地で本当に不思議な構図が展開されていましたが、それも時間の経過とともに何だか心地良くなってきて、最後にはこの偶然の出会いに感謝せずにはいられませんでした。

結局、濱本さんとジェイソンの自宅で一泊させてもらうことに。翌日、帰国時のトランジット先であるシドニー国際空港に向かう直前、濱本さんから「また、世界のどこかで会いましょう!」と粋なメッセージが届きました。彼女のように、どんな場所でも強くしなやかに生きていきたいという想いを胸に抱き、筆者はシドニー行きのカンタス航空545便に乗り込んだのでした。

 

“Man reist ja nicht, um anzukommen, sondern um zu reisen.”(人が旅をするのは、到着するためではなく、旅をするためなのだ)。

 

目指す場所に辿り着くことよりも、そこに至るまでの過程、人との出会いや触れ合い、そういうものが旅の醍醐味であるということを語ったドイツの詩人・ゲーテの格言ですが、その通りだなと実感した今回の旅。

南半球で良い空気を吸って、仕事に一層邁進する所存です!笑

 

 

この記事を書いた人

安藤 貴文

2011年フォントワークス入社。営業担当。大学時代に所属した新聞サークルで初めてデジタルフォントに触れ、その奥深さに目覚める。次の旅行先を早速思案中。