印刷物のプランニングからデザイン、制作、組版、製版、印刷までトータルに手がけている株式会社ローヤル企画。1971年に写植会社として創業・設立され、1989年にはいち早くMacintoshを導入、現在最もパワーを持つDTP・プリプレス部門には社員320名中約160名が携わっています。出版社、雑誌関連の制作をメインで行っていることから、Windows DTPとOpenTypeフォント環境への対応と、従来の環境への対応の重要性を認識し、いち早くLETSを導入されました。
お客様のニーズに応えた結果がLETS
そもそもLETSを導入したきっかけは、フォントワークスの営業担当者から説明を受けたことからはじまりました。弊社では将来的にOpenTypeフォントのDTP環境を整えることは必須だと考えていましたので、まず最初は試験的にMacintoshとWindowsのライセンスを各5〜6台導入しました。その後お客様から要望があり、実務としてLETSを使用する環境が必要となってきました。弊社は社内業務にとどまらず、お客様先にオペレーターを派遣してDTP環境の構築や制作業務をサポートしています。現場ではWindowsマシンにInDesign、OpenTypeフォントの環境を作り、そこへ LETSのOpenTypeフォントを導入して実際に制作作業を行っています。
一般的にお客様のニーズは時代と共に多種多様になってきていますが、中でもWindows DTP環境構築へのニーズは高まっていると思います。お客様の中にはWindowsマシンはあるもののレポートや表計算などのオフィス業務に利用するだけで、DTP環境を持たないところもあります。我々業者がDTPでデータを制作し、ほんのちょっとした変更や修正であっても、DTP環境を持たないお客様は業者にデータ修正をお願いしなければならない立場です。「一文字くらいの修正だったら自社でできるのでは・・・」という考えに至るのは自然なことで、それがDTP環境構築への最初の取っかかりではないでしょうか。
「若干の修正やチェックは自社で行いたい」「データの主導権を自社で持ちたい」などの要望に加えて、InDesignやOpenTypeフォントの登場によってWindows DTPへのニーズが増えてきています。そのような背景もあり、LETSはこれからDTPをはじめるお客様にお勧めしやすいですし、お客様にとっても年会費だけで全書体が使えるという単純明快な仕組みとコストパフォーマンスは魅力的であり、LETS導入を決める一番の理由になっていると思います。
プリンタフォントのコストとオプション設定という安心感
私達がLETSを導入したのは、OpenTypeフォント&Windows環境で使用する以外に、プリンタフォントを使用する目的もあります。弊社では現在でもまだまだOCFフォント主流で稼働しています。弊社は様々な場所に分散してサテライトで営業していますので、かなりの台数のプリンタやイメージセッターを所有しており、各機械にフォントを購入して入れています。もちろんそのままずっと使えるわけではありませんので定期的に新機種と入れ替えを行っています。その際はフォントの更新も生じるわけですが、今ではほとんどのメーカーがOCFフォントの販売を終了しています。CIDフォントへのアップグレードかLETS導入かを検討した結果、LETSの方がコスト的に安くなりますし、また、プリンタを増設する場合はパッケージを新たに購入するよりもイニシャルコストが低いためさらにお得感があります。
プリンタの台数が多いため、管理の面でもかなり楽になりました。以前のような、どのプリンタにどの書体が何書体入っているか、どのパッケージが使われているのか、といった面倒な管理や手間が一切必要なくなりましたから・・・。また、インストール作業にかかる時間が以前と比較してかなり短縮された点は大変助かっています。これから先OpenTypeフォントが主流になりプリンタフォントの必要性がなくなったとしても、プリンタフォントはオプションとしてサポートされていますから、オプション契約の解除というかたちで対応できるため安心して利用しています。
OSやアプリケーションに合わせたフォント環境が構築できる
最近はInDesignの使用も増えていますが、やはり今現在もQuarkXPressの使用頻度が高いため、しばらくの間はOCFフォントの使用が続くと推測しています。すでに二世代前のフォーマットとなったOCFフォントでも、LETSを導入したことで継続して使用できるので非常に助かっています。 OSやアプリケーションに合わせたフォント環境がすばやく構築できること、めまぐるしく変化するDTP環境に柔軟に対応していけるLETSにはとても満足しています。
出力に関してはOpenTypeフォントのメリットの1つであるPDF入稿が一番理想的ですが、まだそこまで至っていません。突発的なトラブルが起こったときの対応を考えると、即修正が可能なネイティブデータでの入稿にならざるを得ません。特にタイトなスケジュールで動いている週刊誌などは、少しでも作業が停止すると大変なことになってしまいます。制作側、出力側含めて、理想的なPDF入稿の環境が整うことを期待しています。
キーマンはデザイナー!?
弊社の要望としては、もっとLETSを効果的に広めてほしいということです。特にデザイナーさんにとっては低価格なLETSは導入しやすいのではないでしょうか。OpenTypeフォントにはいろいろ便利な機能がありますが、ただみんな知らないだけで、使えば需要が増えると思います。 日本語以外のフォントについては中国語があると助かります。弊社は中国の印刷会社との仕事でデータをやり取りすることがありますが、今後仕事内容の幅をひろげるためにも対応を期待しています。
<編集後記>
先見の明を持ち、各方面で新しい技術に積極的に取り組んでこられたローヤル企画。OpenTypeフォントを中心にしたフォント市場の動向や、今後の展開にも常に気を配られている様子がうかがえました。ますますアクティブに展開するLETSに大いにご期待ください。
企業情報
社名 | 株式会社ローヤル企画 |
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本社所在地 | 東京都千代田区神田錦町3-14 |
TEL | 03-5280-0571(代表) |
URL | http://www.loyal.co.jp/index.html |
設立 | 1971年4月 |
従業員数 | 320名(2004年8月現在) |
事業内容 | 商業印刷物の企画立案・デザイン・制作・印刷・各種出版物の編集・制作・DTP・組版・製版・印刷、文字/画像情報処理・データベース構築・システム開発、他 |
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