もじFes.開催

2019年11月16日〜17日、フォントワークスは「もじと もっと じゆうに」がテーマのイベント「もじFes.」を開催しました。「もじFes.」とは、私たちの日常に潜むたくさんの「文字」、コミュニケーションツールとして欠かせない「文字」について、モノや◯◯をテーマにさまざまな入り口から「見て、触って、遊んで、学んで」といった五感を使って体験していただける、老若男女に向けたイベントです。
フォントメーカーとして、私たちは、これまでにも「書体のデザイン」を見ていただく、知っていただくためのイベントは数多く実施してきましたが、「もじFes.」については、そういったいわゆる「書体の展示会」とは一線を画したものにしました。文字をカジュアルに楽しめる「もじFes.」の開催目的や意義などをご紹介します。

「もじFes.」に込めた想い

お知らせしております通り、創業25周年を迎えた2018年、社員全員でタグラインを策定しました。それが、イベントのサブタイトルにもなっている「もじと もっと じゆうに」です。
フォントは必ずしもプロフェッショナルだけが使うものではない。誰が、どこで、どのように使ってもいいものだ。私たちはフォントメーカーとして、高品質なフォントを「もっともっと自由に使っていただける」環境をご提供したいと考えました。「もじFes.」は、このタグラインに込められた私たちの価値観をより感じていただくための活動です。


人間のコミュニケーションツールとして誕生した文字を、日々、私たちは無意識に、当たり前のように目にします。単なる伝達記号としての文字に表情をつけ、息づかいを残し、言葉の力を最大化するものが、文字をデザインした「フォント」です。
私たちはフォントメーカーとして、私たちのデザイナーが丹精込めて作ったフォントを、もっと多くの方に知っていただきたい、もっと多くの方に楽しんでいただきたい、その思いを形にするための方法を日々考えています。
私たちは、どうすればよりたくさんの方に、フォントを知っていただける機会をご提供することができるか、さらには、いつもご使用いただいている皆さまへ、製品やサービスではない何かで、感謝の気持ちを還元することはできないか。そこで企画されたのが「もじFes.」です。

「もじFes.」開催の目的・意義 

誰に向けた、何のためのイベントなのか

私たちの願いは、前述の通り、「もっと多くの方に知っていただきたい、もっと多くの方に楽しんでいただきたい」です。「明朝体だね」とか「ゴシック体だね」とか、「このハライが最高に美しいね」とか、そういった“難しい”ことではなく、「こう変えたらこんな可愛くなったよ」とか、「かっこよくなったよ」とか、「文字っていろんな形があるんだね」とか。より体験的に、視覚的に、エンターテインメントとして、文字をどう表現するか、どう楽しんでいただくか、来場した全ての方に「文字の楽しさ」を知っていただくことを目的としました。

「もじFes.」でのこだわり

このイベントのコンセプトは「もじと もっと じゆうに」です。だからこそ、企画を行う際に、一番大切にしてきた部分は、文字やフォントだけにとらわれなかった点、自社のフォントだけに限定しなかった点の2点となります。「もじFes.」では、文字の祭典なので、文字にちなんだプログラムを用意していることに間違いはありませんが、このイベントでは、マーケットや巨大文字、展示にワークショップ、AR、音楽やビールやフードなど、自分の好きなモノ・興味があるモノ・気になる人を切り口とした、今までのフォントの展示会にはないフェスティバル要素の多いプログラムにしました。例えば、ビール好きな方が、好きなクラフトビールの雰囲気に合いそうなフォントで説明書きされたコースターを活版印刷し、それを無料引換券として、ビールの試飲ができるといった仕掛けです。文字好きが純粋に文字を楽しめる書体のインスタレーションゾーンで、ゆったりと落ち着いてフォントの美しさを堪能してもいいですし、小さいお子様がいろんな表情の「愛」という文字を作ったり、最新技術のARを使って、文字と遊んでみたり。アーティストによる文字のギャップ表現、書道家さんなどによるワークショップ…などなど。

「美味しそうな文字」「楽しい文字」「懐かしい文字」「美しい文字」

「もじFes.」にご来場いただいた方、それぞれの「文字」を見つけていただいたのではないかと考えております。
また、展示しているコンテンツは、自社のフォントを使用したものをはじめ、書道やのらもじ、手書き文字、他社の書体など、自社のフォントに限定していません。これも、「もじと もっと じゆうに」のコンセプトを体現した結果です。

「もじFes.」プログラム構成

もじを知って、もじと遊んで、もじに触って、もじを学んでいただくために、以下で構成しました。

もじと出会う

フォントマーケット

「文字」をテーマにこの日のためにつくられた作品や、特殊製法でつくられたタトゥーシールの無償配布、活版印刷のワークショップなどを開催。

巨大文字インスタレーション

文字の構造を体感できる、大人も子どもも楽しいフォトジェニックな巨大文字。

活版TOKYO in もじFes.

代官山など全国4ヶ所で人気の「SPRING VALLEY BREWERY」のクラフトビールや、原宿でクリエイターに愛される「forucafe」のドリンクの無償引換券にもなる活版印刷のコースターづくりワークショップ。

もじと遊ぶ

“愛”の見本帖

異なるフォントの「愛」のパーツ(部首)を組み合わせ、見比べたり写真を撮ったり、遊びながら書体を学べる参加型プログラム。

AR もじFes.

日本で唯一のSnapchat公認クリエイター青絵さんによる、もじFes.オリジナルコンテンツ。「あなたの“もへじ”」と「AR 漫画劇場」。

もじと向き合う

「もじ好きが選ぶ、もじの本」

文字やデザインのプロフェッショナルが選ぶ、「これぞ!」というデザインや文字組みの本を公開。

「ギャップ朗読会」

映し出される文字の雰囲気と物語の内容のギャップを、漫画『大家さんと僕』の作者であり、お笑い芸人の矢部太郎(カラテカ)さん、シンガー・ソングライターで文筆家の寺尾紗穂さんなどをはじめ豪華アーティストらによる朗読で味わうスペシャルプログラム。

ワークショップ:「甲骨文字を書いてみよう! by 目時白珠」

「古代の絵文字」ともいえる甲骨文字を、書家と一緒に書くワークショップ。

「オリジナルTシャツづくり」「レタリング缶バッジづくり」ワークショップby のらもじ発見プロジェクト

シルクスクリーンでレトロなデザインのTシャツを手刷りする「オリジナルTシャツづくり」、街で発見した文字を題材に、好きな言葉をレタリングして缶バッジにする「レタリング缶バッジづくり」といった、レトロな文字たちと遊べる2つのワークショップを、のらもじ発見プロジェクトが開催。

もじと味わう

「美しい文字」

リリース15周年を迎える筑紫書体を、まるで美術館のような落ち着いた空間で、視覚的に書体の美しさを堪能いただける書体のインスタレーションエリア。

カフェスペース

代官山など全国4ヶ所で人気の「SPRING VALLEY BREWERY」のクラフトビールや、原宿でクリエイターに愛される「forucafe」のカフェメニューが味わえる。

「もじFes.」の結果

来場者数は6,000名を超える予想をはるかに超えるお客様にお越しいただきました。私たちが当初から思い描いていた、誰もがラフに「文字を知り、文字と遊ぶ、文字を学ぶ」ことができ、参加された方は笑顔で帰られて行きました。