「独特の雰囲気を醸し出す」
タイプデザイナーの金井和夫氏が、新書体思案中、筆ペンの持ちかたを試行錯誤しているときに、筆ペンの弾力を利用した特殊な書法にたどり着き、一気に書き上げた遊び心あふれる作品。形状が松の葉に似ていることから「松葉」と名づけられました。
他の書体にない鋭さと和風を感じさせる書体です。
特に、本来は曲線が特徴であるはずの平仮名を、角のある、まるで片仮名のように仕上げています。それでも仮名文字の持つ優美さを失わせない、ぎりぎりのところで留める配慮をしています。
あまりに特徴的なため、本文組には不向きかもしれません。しかし、文字の高さや横幅がフォントの概念を覆すほどバラエティに富んでいるので、一文字ずつばらしてサイズに強弱をつけると、見出しとしてあたかも書道のような最大限の効果を得られます。
可読性より、印象を強く与えたいシーンなどにご使用ください。訴求力が抜群な書体であることを実感いただけると思います。