「優しさと切れ味をあわせ持つ」
書体名の「清明(せいめい)」は、季節の指標である「二十四節気」の5番目の節気のこと。春の息吹があふれ「すべてのものが清らかで生き生きしている」という意味です。その名の通り、伸びやかな切れ味の中に優しさ・優美さを包含した不思議な書体です。「清々(すがすが)しい明朝」という意味も込めています。
この書体は、タイプデザイナーの金井和夫氏の普段使いの文字をベースとした、明朝・行書・楷書の複雑なフォルムイメージを持っています。「R(レギュラー)」、「M(ミディアム)」、「B(ボールド)」の、合計3ウェイトで構成されています。
また、オールドなイメージを残しつつも、その概念にとらわれず大仮名に設計してあるので、近代的な組版にも対応するマルチな性格を備えています。
清明かなファミリーの各書体は、クリエイティブワークに「躍動感と訴求力を表現する」一助にと開発しました。和文フォントは、正方形の中に押し込めることにより、伸びやかさがなくなる傾向があります。この書体は必ずしも正方形にとらわれない自由な発想で作られています。
特徴が強いので、長文には向きませんが、短い本文組みや、ちょっとした見出しに使ってみてください。躍動感に満ちた、訴求力のある紙面になるはずです。縦組み、横組みともプロポーショナル加工を加えました。また、ペアカーニングもほどこしてあります。