「味わい深い余韻を残す印象的な書体」
究極の流麗さを追求した、明朝風と行書風のハイブリッドフォルムフォントです。連綿にすることで、あでやかさは一層強調されますが、多用すると煩さの原因になります。「余韻」は距離の遠い部分、密集してしまう部分は、あえて繋がない選択肢を取りました。一文字ひともじ丹念に心を込めて曲線を描きあげています。その名のごとく心地よい余韻を残してくれる味わい深い書体です。
この書体は、タイプデザイナーの金井和夫氏の普段使いの文字をベースとした、明朝・行書の複雑なフォルムイメージを持っています。「L(ライト)」、「R(レギュラー)」、「M(ミディアム)」、「DB(デミボールド)」、「B(ボールド)」の、合計5ウェイトで構成されています。
また、オールドなイメージを残しつつも、その概念にとらわれず大仮名に設計してあるので、近代的な組版にも対応するマルチな性格を備えています。
余韻かなファミリーの各書体は、まるで日本舞踊のような優雅さ、ワルツのような軽快さを表現しています。ほとんどの文字が正統派の明朝体からはかけ離れたフォルムをしていながら、訴求力や優美さを損なわないよう、細心の注意を払いました。
特徴が強いので、長文には向きませんが、短い本文組みや、ちょっとした見出しに使ってみてください。躍動感に満ちた、訴求力のある紙面になるはずです。縦組み、横組みともプロポーショナル加工を加えました。また、ペアカーニングも緻密にほどこしてあります。