コミック(マンガ)書体って奥深い!
コミック用の書体についてご存知ですか???
フォントワークスが提供している年間定額制フォントサービス「LETS」のフォントには、コミック(マンガ)での使用に最適なフォントがあります。このフォントは、某少年向けの週刊誌の印刷会社さまと共同開発し、リリースされたものです。漫画制作環境をそれまでのアナログな作業方法からデジタル化へと移行を図った際、当時のデジタルフォントの写植書体に相当するバリエーションが少なかったことがきっかけで誕生しました。
今回のコラムでは、マンガを読む方なら誰もが目にしたことのある「コミック書体」についてご紹介いたします。
このコラムの最後には、「マンガといえばこれ!」と思わずわくわくしてしまうコミック書体を含めた、LETSの全書体を無料でお試しいただけるおトクな情報も掲載しています!
コミック書体って、何だ?
「コミック書体」とは
漫画のメインは「絵」ですが、同じくらい重要な要素として、セリフ、モノローグ、ナレーションなどの文字表現があります。
漫画には、様々なキャラクター(男性・女性・子供・大人・老人・主役・悪役など、、、)が登場し、それぞれが持つ「声」で会話します。
紙面なので実際に声が聞こえるわけではありませんが、きっと読んでいく中で、頭の中では、それぞれの持つキャラクターの個性や性別などにより、声色を置き換えているのではないでしょうか?
そう思うと、これらを全て一種類のフォントで表現するのではなく、それぞれの声色によって表現した方が読み手の没入感も高まります。
そういった、漫画の中のさまざまなシーンで使用されている書体を「コミック書体」と呼んでいます。
基本となるセリフには、可読性を最重視したフォントがよく使用されます。
明朝体とゴシック体を組み合わせたアンチック書体。弊社の書体としては、「アンチックセザンヌ」がそれに該当します。
漫画には、喜びの場面、ちょっとホラーちっくな場面、ミステリアスな場面など、たくさんのシーンがある中で、書体は雰囲気の演出に欠かせない重要な要素です。改めて「フォントまで含めてマンガなんだ!」と思えますよね。
コミックによく用いられる主な書体を例に挙げてみましたが、この中でも、「コミックミステリ」「コミックレゲエ」は、コミック専用に開発した書体なんです!
コミック書体、誕生秘話
共同印刷さまとのコラボレーション
共同印刷さまは、印刷・出版部門、ビジネスメディア部門、生活・産業資材部門と幅広く事業を展開されている会社です。印刷・出版部門では、企画・制作から物流まで、印刷メディアを核にさまざまなサービスを提供し、多様なデバイスを活用したプロモーション活動やIT関連のソリューション事業などで、販売の促進を図られています。
そんな共同印刷さまですが、まんが制作環境のデジタル化に尽力されていました。
長い間アナログ的にマンガを制作されていたのですが、<誰もが簡単に制作できる><雑誌からコミックスへの製版に作業の効率化が図れる>必要性を感じたために、組版から製版までの一部の流れをデジタル化しようとしたのです。
マンガの紙面制作を写植からDTPに移行する際にネックとなったのが、「マンガの紙面の迫力を表現できるデジタルフォントがない」という問題でした。今まで使用していたデザインやウエイトとは異なるため、似たようなフォントを使っていても、誌面イメージがスカスカで重みがなくなってしまうという状況だったのです。
そこで、共同印刷さまとフォントワークスが共同で「コミックに適したデジタル書体」を開発することになりました。
「これらの書体、どこが、コミック専用に開発された書体なのか?」と皆さまも気になってきたのではないでしょうか。
そちらについては、詳しくは、少年向け週刊誌を題材としたコラムを掲載しています。
マンガで使用するフォントがデジタル化した経緯や、その際に起きた問題、有名なマンガの中でどのように使われているのかなど、興味深い内容が盛りだくさんです。是非読んでみてくださいね!