スーパーストリーム株式会社様は、バックオフィスソフト『SuperStream-NX』を1995年にリリース以来、会計・人事分野に特化したソフトウェアの開発をされ、中堅・大手企業を中心に9,700社を超える採用実績を誇るソフトウェアメーカーです。
今回、『SuperStream-NX Ver.2』にてフォントワークスの組込み用「UCフォント(ユニバーサル コミュニケーション フォント)」をご採用いただきました。
ご採用の理由や感想などについて、スーパーストリーム株式会社 取締役 企画開発本部長 山田 誠さま、企画開発本部 プロダクト開発部 開発3課 課長 藤川 賢児さまにお話を伺いました。
―― 御社の製品『SuperStream-NX Ver.2』は2017年にリリースされましたが、当初は他のフォントをご利用されていました。今回弊社のUCフォントをご導入いただいたきっかけを教えてください。
山田さん:2017年6月に登場した『SuperStream-NX Ver.2』は当初から多言語・グローバル対応をポイントに設計していました。
海外進出している日本企業の海外現地法人では、経理担当者が現地の方であることも多いため、言語対応できるように、日本語と英語対応をしていました。ただ、日本企業が進出している国はアジア圏が多いので、アジア中心で使っていただけるように、中国語(繁体字と簡体字)、タイ語にも対応した会計システムに成長して行く必要がありました。
また、日本と現地をクラウド上で会計システムの統合ができるようにしたいという思いもありました。
多言語対応に向けて帳票フォームの壁
山田さん:特に会計システムの中でも、『帳票』がポイントとなります。
日本語・英語・中国語・タイ語のそれぞれに対応させるとなると、帳票フォームを4つ作らなきゃいけないわけですよ。そんな効率の悪いことはできないので(笑)、できれば1個に、せめて日本語とそれ以外の言語にならないか?と思い、当時開発のプロジェクトマネージャーだった藤川さんに提案しました。
藤川さん:言語ごとに作るとなると、会計システムのフォームが1,200個ほどあるので、1,200×4・5ヶ国語ですね。
山田さん:それはどうにかならないの!?みたいなところから始まったんです。最低でも日本語・英語・中国語・タイ語。これに対してすべて1つのファイルで収めることが要望でした。同じ帳票フォームを4,000個も作って、 なおかつ、バージョンアップすると、フォームのレイアウトも多少変わる可能性がある。その作業たるや、掛ける4倍ですよ(笑)。
それで、必要な言語をひとまとめにしたグローバルフォントを考えてほしいと藤川さんにお願いしました。
―― なるほど。1ファイル化はそういった背景があったんですね。そんな形で山田さんから依頼が出てきましたが、藤川さんはどうされたんですか?
藤川さん:まず弊社がキヤノングループの1社であることから、グループ内で何かフォントを持っているかもと考え、関連の会社に色々聞いて回りましたが、全然ありませんでした。もうオリジナルのフォントを作るしかないのかなとも思ったんですよね。それでも諦めずに、ネットで検索・問い合わせして、それでもなかなか見つからず。
山田さん:最初に問い合わせしたフォントメーカーは、費用面で折り合いがつきませんでしたね。ただ、やめるわけにもいかないし、かと言って、帳票フォームを1,000個以上全て作るわけにもいかないし、結構真剣に困ってたんです。2カ月くらいあがいてましたよね。
藤川さん:あがきましたよ。そしたら、ネット検索でヒットした、フォントワークスが相談に乗ってくれまして。
まず電話でお話をして、その当日か翌日ぐらいに、実際に打ち合わせに来てくれて。すごくスピード感を持って対応してくれて助かりましたね。我々は納期が迫っていて急いでやらなきゃいけない、そして、予算もある。わがままを聞いていただきました。
―― お互いにスピード感をもってお取組みができたんですね。最初にお声掛けをされたフォントメーカーさんで金額が合わなかったということですが、その他弊社以外でもいくつかお声掛けはされたのでしょうか?
藤川さん:問い合わせをしたのですが、1ファイルで日本語、タイ語と多言語対応をできるところがなかったんですよね。「ないです」で、もう断られてしまって。みなさんタイ語の対応に難色を示されてましたね。
―― そうですね、タイ語はレイアウトから難しいので、マージするということに対して難しさはありますね。
―― そもそも多言語対応・グローバル展開をされている理由はなぜでしょうか?
山田:海外現地法人の不正会計や会計ミスは企業にとって、本当に致命的な話になったりするんですが、結構起こりやすいんですよね。海外現地法人では、その国の会計ソフトで月次決算書や損益計算書、総勘定元帳を対応して、エクセル化して日本の本社に送るということが多いんです。これが危ないんですよ、手作業に頼ればミスも起こるし、不正の原因にもなりかねない。
海外の会計ソフトの中には、会計を締めた後も修正できて、履歴も残らないものもある。日本の上場企業にとってもは大きなリスクです。
そのため、わたしたちは、『SuperStream-NX』のそのままの機能を多言語対応させることで、グローバル展開している日本企業を支えたいのです。
フォントの導入で叶ったグローバル市場拡大と開発工数の削減
―― 弊社のフォントを採用していただいてから何か変化などあればお聞かせください。
山田さん: 私たちの製品は「グローバル対応」と謳っている中で、例えば、タイでは1年で数社の導入が決まり、そういう意味では、グローバルビジネスを止めずに拡大できました。あとは、内部的な話が大きいです。
厳密には、日本語とそれ以外の言語で2ファイルに分けたのですが、工数が大幅に削減できたので、フォームファイルのメンテナンスや生産性も落とさずにそのまま開発に集中することができました。
―― もともと藤川さんの方でフォント作ろうかみたいな話まで出たというところから考えると、全体的な開発工数も相当削減になったという認識でよろしかったでしょうか?
藤川さん:はい、そうです。
あともう1つ要望をお伝えして、等幅ピッチにも対応いただきました。帳票は、ある範囲の中に文字を入れないといけないので、等幅にしていただけたことでも、生産性があがったと思います。
山田さん:2021年6月1日にベトナム語の対応も開始し、その次インドネシアなどさらに多言語に対応していく予定です。
海外の日本法人をしっかり支えたい。2023年インボイス制度対応に向けて
山田さん:グローバルの話で言うと、日本の消費税制度において2023年10月1日からインボイス制度の導入が開始します。そうすると海外での請求書などのやり取りが本当に国をまたいでできるようになる時代がやってくる。2年後の2023年10月から、海外ビジネスはより一層加速するのではないかと思っています。
―― そうすると、日本企業が出ていくところだけでなく、御社のグローバルでの対応領域が広がっていく可能性もあるのでしょうか?
山田さん:そうですね。日系企業が海外に出ていくのであれば、『SuperStream-NX』の仕組みもそれに合わせて改良し、同じ領域に出ていけるようにしたいです。これは、日本法人をしっかり支えたいということが我々の軸にあるからなんです。
私たちは、2030年までにクラウド化やグローバル展開をこれまで以上に進めていきます。私たちの製品を世界中のJOC(Japan-originated Company=日本を本社に置く企業)に使っていただくという熱い想いがありますので、その拡大に向けて一緒にご支援いただけるとありがたいです。
日本のソフトウェア産業がこれからどんどん世界に出て行く時に、フォントワークスもそれを支える存在になっていただけると嬉しいですよね。このフォントさえ使っておけば、どこの国でビジネスをやろうとシステム的に大丈夫というのを実現してほしいです。
―― フォントのシームレス化は理想ですね。貴重なご意見ありがとうございます。
弊社も日本企業を支える御社を支えられるように引き続き活動していきます!
フォントワークス の「UCフォント(ユニバーサル コミュニケーション フォント)」 は日本語・欧文・中国語(繁体字・簡体字)、タイ語などの多⾔語が統⼀のデザインコンセプトを持つフォントです。すべての対応⾔語を⼀括で管理でき、カバーする⾔語の広さも特長です。ますます進むグローバル化に対応できるフォントサービスを提供しています。みなさまのグローバル展開にお役に立てれば幸いです。
スーパーストリーム株式会社
ソフトウェア・パッケージの企画・開発・販売。販売製品のトレーニングおよびサポート、
システム導入のコンサルティング。会計・人事分野に特化したソフトウェアメーカー。
https://www.superstream.co.jp/