【フォントを巡る冒険 第7回】愛のあるユニークで豊かな「かるた」~「フォントかるた」制作チームの活動に迫る

Interview

こんにちは、営業部・安藤です。

2020年最初の「フォントを巡る冒険」は、2017年の発売以降、書体やゲームの愛好家だけでなくデザイナーやクリエイターといった文字に関心を持つ人々から圧倒的な支持を得る「フォントかるた」制作に携わる、せきねめぐみさん、伊達千代さん、星わにこさん、横田良子さんにお話を伺いました。

通常のかるたとは、ひと味もふた味も違う変り種の「フォントかるた」。誕生の経緯から魅力、将来展望までを詳しく伺いつつ、フォントかるた読本として昨年末にリリースした『愛のあるユニークで豊かな書体』について、少し遡って制作チームの皆さんが文字とどう関わり始めたのかに迫りました。

【フォントかるた制作チーム】
※以下、写真前列左より時計回りに表記

せきね めぐみ(Megumi Sekine)
桑沢デザイン研究所卒業。デザイン事務所に7年間勤務の後、フリーランスに。広告・雑誌・書籍などのグラフィックデザインや、ロゴデザイン、イラストレーションの制作に携わる。

星 わにこ(Waniko Hoshi)
出版文化産業振興財団勤務後、フリーランスでイラスト、漫画、編集・WEBデザインの傍ら着物の仕事を始める。昭和な家スタジオ&きもの教室運営。著書にコミックエッセイ『おキモノ生活のすすめ』など。

伊達 千代(Chiyo Date)
グラフィックデザイナー、ライター、講師。制作会社勤務の後フリーランスを経て、2012年に(株)TART DESIGN OFFICE設立。主な著書に『デザイン・ルールズ[新版]』『配色デザイン見本帳』など。

横田 良子(Yoshiko Yokota)
筑波大学芸術専門学群卒業。印刷会社に広告ディレクターとして勤務した後、フリーランスとなる。『MdN』をはじめ、主に雑誌・書籍のデザイン・DTPに携わる。

フォントの魅力が凝縮された『愛のあるユニークで豊かな書体』

今回の取材は、昨年12月に開所した弊社の新オフィス(東京都港区北青山)で行われた。

―― 新年おめでとうございます。今日はどうぞ宜しくお願い致します。

フォントかるた制作チーム:おめでとうございます。こちらこそ、どうぞ宜しくお願い致します。

―― 皆さん、メインのお仕事を日々こなしながら、昨年末(2019/12/30)には『愛のあるユニークで豊かな書体』を上梓され、年末にかけて多忙な日々をお過ごしだったかと思います。各人に役割があり、様々な角度からこの本の制作に携わったかと思いますが、特に苦労した点を教えて下さい。

せきね:私はフォーマットデザインと左ページのイメージ図の制作を担当しました。イメージ図の制作は、伊達さん7:私3くらいです。デザイン系書体のページはスムーズに進行していったんですけど、明朝体、ゴシック体はページ毎に違いを出すのが難しくて、急に速度が落ちてしまいました。

横田:私はレイアウトを担当しました。右ページのクローズアップのところは、文字がたくさん入るとレイアウトがパズルのようでした。分かりにくくならないように気をつけました。

伊達:私は右ページの書体毎の解説を担当しました。ビジュアルブックをイメージして、解説はギリギリまで削りました。本当はもっと書きたかったですけど(笑)。

―― 「フォントかるた」の読み札の解説(60文字)では収まらない思いをこの本にぶつけたとは思いますが(笑)、300文字の解説で全89書体のデザインの差異を表現するのは、相当に骨の折れる作業だったかと思います。比較する上で基準となる書体はあったのでしょうか?

伊達:明朝体は「游明朝体」、ゴシック体は「游ゴシック体」です。偏りがなく、全体のバランスがとても良い游書体を基準(ゼロ)として、新旧やふところの大きさの違いなどを逐一見ていきました。JIS規格+αの文字種を全て打ったファイルを都度切り替えながら、「ここは紹介したい!」というポイントをピックアップしていきました。

―― この本のもうひとつの大きな特長として、各ページに使用事例が載っているところかと思うのですが、用例の収集はどなたが担当されたのですか?

星:用例収集は私が担当しました。デザイン的に優れているというよりも、看板や出版物で使用されているような身近な事例を入れたいということになったのですが、4名だけではとても集めきれないので、フォント捜索隊を結成して15名くらいの方に協力して頂きました(笑)。

許諾や金銭的な観点から、泣く泣く掲載を見送ったものもあったり、もっと良い用例はないかとフォント捜索隊に「再捜索願い」を出したものもありましたね(笑)。

「フォントの違いはよく声優に例えられます。声優が変わればキャラクターの性格が変わってしまうように、フォントによって言葉の性格や感情が変化します」(pp.14―「フォントは『声色』?」より)。各書体の説明に2ページを割き、デザイン初心者の方にも分かりやすい説明を心がけた『愛のあるユニークで豊かな書体』。制作チームのフォント愛が随所に散りばめられている。弊社書体も20書体ほど掲載。

―― ちなみに、構想から出版までどのくらいのスパンだったでしょうか?

伊達:構想自体は半年前にはありました。ただ、実際に制作に取り掛かってから出版までは2ヶ月程度しかなかったですね。もう少し余裕があったはずなのに(笑)。

―― 限られた時間での制作となった中で、こうしておけば良かったという点はありますか?

伊達:特に不満はないです。実は次回作の構想も既にあるんですよ。今回でデザインのベースは出来たと考えているので、全体構成的には今回を踏襲しつつ、掲載出来なかった書体やフォントメーカー各社からリリースされる新書体で拡張版を用意したいと考えてます。

「フォントかるた」も、初回版は悩みに悩んで48書体を決めたんですけど、あとから「これも入れたかった」というのが出てきて拡張版(※1)を順次用意しました。それと同じ流れですね。

※1 「フォントかるた」拡張版:
2017年11月に明朝体のみの『拡張パック白・黒』、2018年11月にゴシック体のみの『拡張パック風・雷』を発売(両パック共に現在は売り切れ)。2019年11月、第3弾となる『Sweet & Bitter』を発売した。


―― どんな人たちにこの本を届けたいですか?

星:デザイナーの方だけじゃなく、デザインに馴染みのない一般の方々にも広く手に取って頂きたいです。おとなのふりかけのパッケージに使われてる「マティス」(pp.36-37)、このフォントってエヴァンゲリオンの極太明朝体と同じなんだ!みたいな感じで、この本を通じて、フォントに興味を持ってもらえたら嬉しいですね。

■突然のひらめきから、フォントかるたを自作!

―― そもそも、「フォントかるた」誕生の経緯が面白いとお聞きしました。

せきね:2017年のお正月、クリエイター仲間が集まる新年会で「何か遊べるものを持っていこう!」と考えて、私が自宅のプリンターでかるたを作ったのがきっかけです。

フォントかるたの「首謀者」せきねさん(1号)。かるた関連の制作物デザイン、イベント出展を担当。

―― なぜ「かるた」だったんでしょうか?

せきね:特に理由はなくて、突然ひらめいたんです(笑)。お正月だし、かるたで盛り上がるかな、と。そのときの様子を伊達さんがTwitterに投稿したところ、思いのほか話題になって反響が大きかったので、「製品化しよう!」という話になり、翌月には製品化に至りました。

―― (当時の伊達さんのツイートを見ながら)緑色の縁しかり、「愛のあるユニークな書体」という文言しかり、現在の「フォントかるた」の原型が見て取れますね。

伊達:ちなみに、せきねさん自作の札は全てカードホルダーに入っているんです。「札が汚れるから」って(笑)。でも、これが本当に原型ですね。

フォントかるたの「字引」、文字っ子の伊達さん(2号)。かるた関連の制作物の解説、原稿を担当。

―― そして、製品化の流れのなかで、このメンバーが揃っていった、と。

伊達:そもそもの出会いは、インターネット上の掲示板でした。ワーキングマザーの為の掲示板で、全国規模で保育園情報とかを交換するんですけど、この4名はそこのクリエイター分科会で知り合った仲間ですね。

同じような生活環境がベースにあり、各々がどんな仕事をしているかっていうのも知ってる間柄で、ゆるゆると繋がってました。そして、件の新年会に集まったクリエイター仲間の中でも、製品化に向けて実際に動いたのがこの4名でした(笑)。今では、デザインから制作、製造、商品管理、販売まですべてを自分たちで賄ってます。

取り札に書かれた文言はどれも「愛のあるユニークで豊かな書体。」。しかし、使われているフォントは全て違っている。読み札に書かれたフォント名を読み手が読み上げ、そのフォントが使われている取り札を取る。「フォントかるた」は、シンプルかつ奥が深いゲームだ!

―― 「フォントかるた」の製品化にあたって、特にこだわったところはどこでしょうか?

せきね:前提としてかるたはゲームなので、好きなフォントや推しフォントばっかり集めてしまうと、ゲームとしての魅力がなくなってしまいます。すぐ覚えられたり、逆に見分けが難しかったり、色々なバリエーションのフォントを入れた方がゲームとして面白いんじゃないかな、と。そういった目線で選定しました。

―― 改めて、皆さんが考える「かるた」の魅力を教えて下さい。

横田:かるたというゲームのフォーマット自体、日本人だったら馴染みがあるのでとっつきやすいと思います。その上で「フォントかるた」はゲーム性に富んでて、フォントに詳しいからって札が取れるわけでもないんです。前半はフォントに詳しい人が札を取れても、後半は記憶力や反射神経が良い人が札を多く取ったりする。知らない人同士でも盛り上がることができて、アイスブレイク的な要素も備えていると思います。

星:先日、渋谷ヒカリエで開催された「Karuta2020」に出展側として参加してきたんですけど、かるたって愛が詰め込まれていて、しかも楽しく遊べる商品だと強く感じました。

私個人としては、教育というテーマで、フォントの種類や分類、どういった場面での使用がより効果的かを子供の頃から知ることが出来る「教育用かるた」を今後作りたいとも考えています。

フォントかるたの「外交担当」星さん(3号)。Webサイトの制作、営業を担当。

―― 「教育」というテーマは取り組み甲斐がありますね。ちなみに、皆さんのお子様は「フォントかるた」お好きですか?

伊達:星さんと私には同じ歳(中学2年生)の子供がいるんですけど、強い強い。勝負にならない。今では、学校で貰ってきたテキストの本文を見て「これ、『凸版文久明朝』かな?」とか普通に言ってる(笑)。

―― とんでもないレベルですね(笑)。

伊達:今の若い世代ってYoutubeやテレビのテロップなど、大量の文字情報に日々接する環境下で、特にデザイン系書体を見慣れてると感じます。

―― 若い世代に限らず、我々もディスプレイを通じてコンテンツに接する機会が非常に増えてきましたが、今この時代にかるたを広くアピールしていくのは容易ではないですよね?

伊達:個人的には、文字が一番読みやすくて綺麗に見えるのは印刷物だと思ってるんです。文字をディスプレイ越しに見るのも勿論良いんですけど、印刷物でじっくり見てもらいたいなと思っています。

横田:「フォントかるた」の中には活版印刷を使ったバージョンもあって、普通の札と見比べてみると、インクの照り感が全然違う。そういうのを見て、触って、楽しんでもらえると嬉しいですね。

活版印刷(活字を組み合わせて作った版=活字組版を使った印刷方法)で作られた特別版として収録されている「築地活字二号明朝体」。通常版と比較すると、インクの照り具合が確かに異なっている。

―― 先ほど、星さんから「教育」というキーワードを頂きましたが、「フォントかるた」の頭脳こと横田さんとしては、今後どういった新しいかるたを作っていきたいとお考えですか?

横田:私が作りたいのは「欧文篇」。欧文篇を引っ提げて、世界に羽ばたきたい。日本のかるた文化を世界に広められたらとも考えてます。

―― 欧文書体は和文書体とは比較にならないほど数が豊富ですから、チョイスから大変では?

横田:その分、無限に作れますよ(笑)。

―― なるほど、考え方ひとつですね(笑)。

フォントかるたの「頭脳」横田さん(4号)。印刷・ゲーム双方の設計・仕様を担当。

「美大」「小学校のレタリング部」「大学の卒業論文」「サンタクロースに印刷機」

―― ここで、かるた制作に携わっている皆さんの「文字との出会い」を振り返って頂きたいと思います。まずは、せきねさんからお願いします。

せきね:小学校、中学校とクラスで絵が一番上手な子供でした。ポスター展に応募すると入賞したりして、良い気になって「美大を受けてみようかな」と。でも、美大の予備校に行ったら、クラスで絵が一番上手な人があちこちから集まっていて、「井の中の蛙だった…」と愕然としました。それでも、美大に行きたい気持ちがずっとあったので、諦めずに頑張って無事進学しました。

当時からグラフィック制作が好きでしたね。テーマがあって、そのテーマにどういった絵や文字が適しているかを考えるのが好きな子供でした。

―― 伊達さんは如何でしょうか?

伊達:小学校高学年の頃、クラブ活動でレタリング部に所属してました(笑)。先生と2人、デザイン書体を制作してました。ぷっくりしてヘタの付いた「トマト」書体を作ったのを鮮明に覚えてます。

今思うと、私の文字に対する興味は、意味と言葉とが同時に入ってくる楽しさの部分からですね。形としての文字と意味としての文字とのマッチングが上手くいったときが本当に気持ち良かったんです。そこは現在も変わってなくて、デザインする際には「この文字の意味が伝わるために、どんな書体が相応しいのか?」を常に考えてます。

―― 星さんの文字との接点も是非教えてください。

星:私は、活字から文字の世界に入ったタイプです。保育士の母が絵本マニアで、小学校の図書館と変わらないレベルの冊数の絵本が実家にありました。「近所の子供たちの為に、私立の図書館を開きたい!」という夢を持つくらい、無類の本好きだった母に影響を受けて、山奥育ちなんですけど外に一切出ないで本ばかり読んでいた子供でした(笑)。

とにかく本に関係する仕事がしたいと思って、大学の文学部に進学しました。ちなみに、大学の卒業論文で小説を書いたんですけど、主人公は看板屋でバイトしてる女の子でした(笑)。

―― 何とも興味深いエピソード(笑)。看板、お好きなんですか?

星:はい、大好きです。「どうして、こんな素敵な看板文字が書けるんだろう?」「看板屋さん凄い!」っていつも思います。私自身、大学時代は漫画サークルに所属してたんですけど、文化祭の立て看板に文字を書くのが本当に好きでした。今でも、袋文字で手紙を書くのが好きだったりします。

伊達:私も袋文字が好き。そもそも、文字を線で捉えるか、面で捉えるかって人に依って結構大きく違うと思うんです。私は文字を面として捉えてて、だからこそ袋文字が好きだし書けるんだろうな、と思います。

―― なるほど、伊達さんのその視座は勉強になります!最後に横田さん、お願いします。

横田:小学生の頃に将来の夢は?と聞かれたら、「本屋さんになりたい」と言ってました。私も本が凄く好きで、「本ばかり読んでないで勉強しなさい」って親によく怒られてました。

小学1年生の時に絵本を作ったんですね。絵を描いて、文章を添えてと、そこまではよくある話だと思うんですけど、最終的に製本までした記憶があります(笑)。当時から製本しないと本じゃないと思ってたんでしょうね。小学3~4年生の頃には、サンタクロースに印刷機を頼んでました(笑)。小型の印刷機を貰って遊んで、その子は大人になって印刷会社に入社しました。

中学生の頃からポスターにレタリングで文字を入れたりしてましたけど、デザイナーを志したのは高校生になってからです。それで、筑波大学の視覚伝達デザインコースを選びました。今はフリーランスのデザイナーで本を作っています。

―― サンタクロースに印刷機をお願いする小学生なんて聞いたことない(笑)。珠玉のエピソード、ありがとうございました。今度は、皆さんのデザインの嗜好性を是非聞いてみたいです。

せきね:仕事においては、クライアントの要望にどれだけ寄り添えるかが大切だと考えています。好きなデザインはポップでカラフルで賑やかなもので、そういったお仕事に取り組む際は特にワクワクしますね。フォントワークスの書体ですと「パルラムネ」「つばめ」「ベビポップ」など、可愛いデザイン系書体が大好きです。

伊達:私も憧れのデザインと目指すデザインは違います。きっちりとタイポグラフィが組まれたデザインに憧れますが、クライアントが何を求めているのか、クライアントのためになるデザインって何なのかを最優先に考えて仕事をしています。

星:私はシンプルなデザインが好きです。ディック・ブルーナ(※2)が描くような単純なラインで、分かりやすい色使い。まさに絵本の世界観ですね。

※2 ディック・ブルーナ(Dick Bruna, 1927-2017):
オランダ出身のグラフィックデザイナー。ナインチェ・プラウス(ミッフィー)やブラック・ベアの生みの親として知られる。パブロ・ピカソやアンリ・マティス、フェルナン・レジェ、デ・ステイルなどに影響を受けた、シンプルな線と明解な色彩「ブルーナカラー」で独自のスタイルを確立した。


横田:私はデザインとアートを切り分けて考えるべきだと思います。アートは好き嫌いで見ても良いと思いますけど、デザインはまず使えないと意味がない。グラフィックでも、与えられた役割を果たせないと、デザインではなくなってしまいます。そういった意味では電車の路線図や時刻表などを見ると面白いなって思います。

―― 各人の瑞々しい感性が、かるたという小宇宙にギュッと集約されているんだなと思うと、感慨深いものがありますね。最後に「フォントかるた」制作チームの今年の抱負をお願いします。

伊達:抱負とか計画とか、堅苦しいのは本業だけで充分だと思ってて(笑)。作りたいものを頑張って作るだけですね。

せきね:自分たちでお金を出して、自分たちの好きなことをやる。これからも、愛でてうっとりするような札を作り続けたいです。

―― 素晴らしい心掛けですね(笑)。本日は長時間に渡って、素敵なお話をありがとうございました!

After Recording 取材を終えて…

取材の1週間後(1/15)、「FONTPLUS DAYセミナー Vol.23」が開催されました。

「FONTPLUS DAYセミナー」は、書体やタイポグラフィ、デザインなどのビジュアル表現にまつわるテーマで登壇者と参加者が一緒になって学ぶイベントですが、今回は『愛のあるユニークで豊かな書体』発売記念として、フォントかるた制作チームの4名に加えて、装丁を担当した山田和寛さん(※3)を迎えた特別な会となりました。

※3 山田和寛(Kazuhiro Yamada / 1985-):
装丁家、文字・グラフィックデザイナー。多摩美術大学卒業後、松田行正氏に師事。その後、Monotype社で初代和文書体デザイナーとして「たづがね角ゴシック」に携わる。2017年に独立。nipponia主宰。現在も「NPG ヱナ」「NPG クナド」など、意欲的なフォント制作を続けている。


「書籍制作の裏話」と銘打って、本書の楽しみ方解説や、諸般の事情で掲載できなかったフォントや用例の紹介、セミナー参加者による「フォントかるた」の札取りという流れの前半から、後半は山田さんも加わって、彼が携わった装丁デザインやフォント制作秘話を余すところなく語って頂くという自由度の高いセミナーでしたが、セミナーを通じて制作チームの「かるた愛」が会場の参加者に伝播していく様子が大変興味深かったです。

かるた自体、日本では16世紀後半頃から盛んになったゲーム(語源は、ポルトガル語で手紙やカードを意味する「carta」)で、現代まで脈々と受け継がれてきたとお聞きしました。新年早々、悠久の時の流れを感じながら、かるたの持つ可能性を改めて感じた取材となりました。

個人的には、取材時にゲットした「築地活字二号明朝体」の札を、せきねさんと同じくカードホルダーに入れて毎日持ち歩き、会社で一息つくときなどにこっそり取り出して眺めながら、活版印刷の照り感を存分に堪能しています(笑)。

取材日:2020年1月8日
写真=フォントかるた制作チーム、まめぞう(@ezcr


この記事を書いた人

安藤 貴文

2011年フォントワークス入社。営業担当。大学時代に所属した新聞サークルで初めてデジタルフォントに触れ、その奥深さに目覚める。趣味は旅行と落語鑑賞。

同じカテゴリーの記事

More

関連記事

前のページへ戻る