【Picsart】グローバルで進行したアプリのリブランディング。そのなかで「UDフォント」採用の理由とは?

Interview

Picsart様は10億ダウンロード・1.5億人の月間アクティブクリエーターを擁する世界最大級のクリエイティブプラットフォーム「Picsart」を提供している会社です。アメリカ、アルメニア、ロシアに開発拠点を持ち、数百人の技術者とAIによりその機能を日々進化させているテクノロジーの会社になります。

そんなPicsart様がご提供しております「Picsart」アプリのリブランディングにあたり、今回弊社フォント「UD角ゴ_スモール」をご採用いただきました。今回、実際にフォントの選定や採用に関わられたPicsartの伊藤さんに「UD角ゴ_スモール」をご採用いただいた理由、今後の事業展望などについて、オンラインにてお話を伺いました。

伊藤 うらら
東京都生まれ。多摩美術大学修了後、渡米。パーソンズ美術大学でグラフィックデザインを専攻、NYのエンターテイメント業界等で経験を積む。帰国後ヤフー、外資系広告代理店を経て現職。Design Leadとして日本と韓国のクリエイティブ責任者を務める。

創立10周年を迎えた2021年、リブランディングのプロジェクトが本国で始動!

―― 先ずは、御社と伊藤さんのご紹介をお願い致します。

伊藤さん:弊社は米国のサンフランシスコに本社を構えるIT企業です。簡単に写真・動画編集ができるアプリケーション「Picsart」を主に開発しています。

現在、グローバルで12拠点800名以上のメンバーがおりますが、PicsartアプリのUI/UXをゼロから考えて制作し改善していくプロダクトデザイナーや、ロイヤリティフリーの画像やイラストレーションといったコンテンツをメインで制作しているコンテンツデザイナーなど、デザイナーの肩書を持つメンバーが数多くいます。また、ツールが3,000以上と豊富に揃っていることも弊社の強みです。

私は2020年1月に弊社に入社しました。現在は、ブランドマーケティングをメインとしたクリエイティブのチームに所属しており、私自身は日本と韓国のクリエイティブの責任者を務めています。ブランドがきちんとローカライズされているか、すべてのタッチポイントでレビューする役回りですね。

「Picsart」の新しいクリエイティブ。日本語フォントは「UD角ゴ_スモール」で統一されている。

―― ありがとうございます。それでは、弊社の「UD角ゴ_スモール」を今回ご契約いただいた背景を改めて教えてください。

伊藤さん:これまで、日本でも海外でもいわゆるGeneration Z(Z世代)の方々が、自分のクリエイティビティを発揮できるプラットフォームとしてPicsartは存在していました。ただ、ツールも機能も充実してきたなかで、アプリとして更に一皮剝けて、よりプロフェッショナルな目的を持った層にも使っていただくアプリにしよう!という思いから、創立10周年を迎えた今年、リブランディングのプロジェクトが本国で始動しました。

写真・動画編集ができるアプリケーションで、プロフェッショナルな目的に対してサービスを展開している競合も多くいるなかで、どうしたら我々はユニークでいられるんだろうと考えたときに、型にハマらない、新しいことに次々と挑戦していくフィロソフィーは堅持しつつ、自由度の高いデザインができて使いやすさも兼ね備えているキャラクターをつくっていくべきとの結論に至りました。そこから、リブランディングにおける主軸のひとつであるフォントに徐々にフォーカスしていきました。

グローバルのブランドフォントが先行して決定したなかでの日本語フォントの選択

―― なるほど。リブランディングに際してはブランドのポジションニングを熟考して、その上で各要素に目を向けていったということですね。是非、フォント選定のプロセスについても詳しく教えてください。

伊藤さん:アプリのブランドイメージをよりプロフェッショナルに持っていくと決めた中で、先行してコーポレートロゴが変更となりました。もともとは丸っこいデザインだったんですが、あえてより角をつけてシャープにして、「大人になりました、Picsart!」というところを前面に出しています。

また、グローバルのブランドフォントを「Gilroy(ギルロイ)」に変更することが決まりました。日本のデザインはグローバルフォントと混植でやっていることが多かったので、日本語フォントも「ギルロイ」にあわせて変えたいな、と。本社と連携して日本語フォントの見直しにも着手しました。

Picsart社のコーポレートロゴ。以前(写真上)と、新しいロゴ(写真下)の比較。

―― その見直しのプロセスで他のフォントメーカー様にもご相談されていた中、最終的にフォントワークスに決めた理由を教えていただけますでしょうか?

伊藤さん:ブランドフォントは「ギルロイ」に決定して進行しており、新たなデザインガイドラインを制定しつつ並行して日本語フォント選定を行うという難しい状況のなかで、営業担当の方から丁寧にサポートいただいたことが一番の大きな理由です。数多くのフォントのなかから「ギルロイ」に合う日本語フォントを選定いただいた上に、ロジカルに提案いただいたのは大変心強かったです。

そういったエモーショナルな部分もさることながら、「ギルロイ」は比較的ウエイト数が多いのと幅広の特長を持つフォントで、ウエイトの豊富さや形状の親和性など混植したときの相性を考えて、「UD角ゴ」を採用させていただきました。

―― 御社も今年創立10周年を迎えられ、今回のリブランディングプロジェクトをはじめとして次の10年に向けて新たな歩みをスタートしているかと思います。そんな御社の今後の未来予想図を教えてください。

伊藤さん:今はレガシーの印象といいますか、セルフィーを加工するアプリ、ファンアートをつくるアプリという認識をいただいているケースがほとんどですが、今後より幅広いユーザ様(クリエーター)に使っていただきたいと考えています。

一昔前は、クリエイティブなことをしても趣味で終わっちゃうというケースがほとんどだったですが、今はちょっと動画や音楽が制作出来るとなればSNS等にアップしてファンがついて買ってくれたりと、自身の強みを生かしやすい状況になっていると思います。

例えば、動画制作をされる方がサムネイルを必要とされたときにPicsartがあれば作れるって思っていただいたり、起業された方がご自身でロゴや広告を制作したいってなったときにPicsartって聞いたことあるな、ダウンロードして使ってみようとか、そういう使い方をしていただけたりするアプリになると一層良いですね。競合が多くいるなかで、Picsartが今一番イケてるコンテンツがあるプラットフォームにするべく、進化を続けていきます。

―― 素敵な未来予想図です!

伊藤さん:先日、プロのダンサーの方にインタビューする機会がありました。ダンスも視覚表現なので、こういう感じで踊りたい、衣装はこういう感じが良いって伝えるときに、文字だけではなく自分で画像をつくってそれをメモ代わりにして渡したりしているそうです。そういう「感覚的なメモ」としても手軽に使っていただけるんだなという発見がありました。ブランドイメージをプロフェッショナルに近づけつつも、コンテンツを生み出しているすべての方々を今後もサポートできるブランドでありたいと心から思いますね。

―― 最後に、御社の東アジアのクリエイティブを牽引する立場の責任者である伊藤さん個人の、今後のビジョンをお聞かせください!

伊藤さん:日本と韓国のクリエイティブを見るようになったのが2021年の年始からなんですけど、日本以外のマーケットを同時に見る面白さを体感しています。ローカルにいる人達と協業して、クリエイティブをつくりあげていくのは、本当に面白いなと思っていて。こういう経験がもっとできたらなと考えています。私自身の感性としてはアジアの方がより親和性が高いと思うので、アジアの他の国のクリエイティブも見たりなど、キャリアを積み重ねていけたらなという風に思っています。

―― 本日は貴重なお話をありがとうございました!


小さい頃からピアノとバレエを習っていた伊藤さん。お母さまがピアノの先生で、英才教育を直接受けつつもピアニストの道には進まず、多摩美術大学では美術論・美術教育論をメインに、ニューヨークのパーソンズ美術大学ではより実践的なデザインを勉強したとのこと。

多摩美術大学を卒業後に意を決して渡米も、言語の壁や大学の課題の難しさにぶち当たり凹む日々だったそうですが、「一大決心をして大口を叩いて行ってしまった手前、ものにして帰らねば!」(伊藤さん)と奮起してパーソンズ美術大学を卒業。ブランディングやクリエイティブに力を入れている外資系ITの分野のスタートアップで仕事をしてみたいと感じていたなかでPicsartと縁があり、入社して夢を叶えたという伊藤さんのパワフルさに終始圧倒されました。

今回のリブランディングを基点に今後も前進を続けるPicsartを「UD角ゴ_スモール」が彩りを添え続けることを、心より願っております。






PicsArt

10億ダウンロード・1.5億人の月間アクティブユーザーを擁する世界最大のクリエイティブプラットフォームを提供している会社です。アメリカ、アルメニア、モスクワに開発拠点を持ち、数百人の技術者とAIによりその機能を日々進化させています。
https://picsart.com/ja


この記事を書いた人

安藤 貴文

2011年フォントワークス入社。営業部所属。大学時代に所属した新聞サークルで初めてデジタルフォントに触れ、その奥深さに目覚める。政治学、法学の観点から文字の歴史を捉える知見を得たいと、2021年4月より母校の大学の通信教育課程に進学。

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