株式会社アクワイアさまのご紹介
株式会社アクワイアは、家庭用ゲームソフトやスマートフォンのアプリケーションなど、開発から販売までを行なっている会社です。 代表作として「天誅」「侍道」「忍道」といった時代劇系統の3Dアクションゲームシリーズから、「AKIBA’S TRIP」や「剣と魔法と学園モノ。」シリーズのようなユニークな設定のものまで、コンテンツ商品を数多く制作されています。また、ゲーム業界を題材にしたテレビドラマ「東京トイボックス」「大東京トイボックス」の原作コミックのモデルとなった会社としても知られています。
今回は、注目のパネルアクションRPG「ROAD TO DRAGONS(ロード・トゥ・ドラゴン)」で使用されているフォントについて、プロデューサーの横山さま、プロモーション部の中村さまにお話しを伺いました。
パネルアクションもストーリーも。沢山の人に楽しく遊んでほしい
このゲームは、自由に道を作り英雄たちを導き、ドラゴンを倒すパネルアクションRPGです。 媒体がスマートフォンであること、基本無料のアプリケーションであることから、手軽で楽しく、多くの人にプレイしてもらいたいということをコンセプトにしています。
スマホアプリに必要な要素の1つとして、「ストレスなくサッと遊べて、自分のやりたいタイミングで進めていくことができること」と考えております。家庭用ゲーム機ではなく、スマートフォンということを意識し『ロードラ』も、“操作性”と“飽きない仕組みづくり”というゲームデザインには、とてもこだわりました。
基本的なゲームの操作としては、画面下に表示された8つのパネルを、フィールドの進行場面とバトル場面で活用して、進めていくというものです。 パネルに表示された“方向”を選択することで道を作って進み、“武器”の選択により攻撃をしたりというふうにですね。
この2つの場面で使用するパネルはリンクしていて、どちらか一方で使うと他方での使用をあきらめなければならないといった二律背反な感じで、パネルの並びが良いときは「このパネルは次のバトルのためにとっておきたいけど、進行方向がちょっとな...」「でも、他のパネルで進むと強そうな敵と戦闘になってしまうし...」と考えることも、プレイヤーに楽しんでいただけるところだと思っています!
バトル場面でのパネルには、数種類の武器が表示されるのですが、同じ武器が表示されているパネルをつなげることで、より高いダメージを相手に与えることが可能になります。それと同時に、プレイヤー自身にも爽快感が生まれるというご意見をいただくことが多いんですよ。これには攻撃時に相手に与えるダメージや、キャラクターの発するカットインセリフなど、躍動感のある文字の表現方法が大きく関係していると思います。
文字でイマジネーションを補完し世界観をつくりだす
今の家庭用ゲーム機はとても高性能になっており、実写と見まがうようなスゴイCGで存在感のある表現ができますが、スマートフォンではまだそこまではできません。だからといって、存在感というか、「実際に、どこかにこのゲームの世界があって、キャラクター達が生きているかもしれない」という感覚の体験ができないかというと、そんなことはないと考えてます。
テーブルトークRPGやボードゲームをプレイすると、会話や言葉、フォントやアイコンなど、プレイヤーが想像して楽しむことの重要性を強く感じます。 スマートフォンのように映像で表現しにくい媒体では、プレイヤーの想像力に手助けしてもらうことで、リアルなCGはなくとも、存在感を演出することが可能だと考えてます。
そこで重要なのが、ストーリーやセリフなど、テキストを使って【文字で想像力を支える】という土台です。
スマートフォンは、「いつでもどこでも気軽に遊べる」ゲームデバイスとして利用されることも増えてきてますが、 家庭用ゲーム機などに比べると、ゲームデータの容量は抑えなくてはなりませんし、 高精細なグラフィック表現を行ったり、処理に時間がかかるような表現ができないのが実情です。
『ロードラ』は、“パネルアクションRPG”と“RPG”の要素も強いので、ゲームに入れ込みたい要素や演出はたくさんあります。 そこで、限られた容量の中で、こちらの意図したシナリオを伝えるために、キャラクターの個性や感情・ゲームの世界観などを、【文字の力やフォントのデザイン】で表現します。
特に『ロードラ』は、それぞれのキャラクターに生い立ちなどのストーリー設定をしているので、テキスト量も多く 、ちょっとした“読みもの”としても楽しんでいただいています。
ゲームを進めていくうちに新しい真実が見つかったりして「あぁ、あのエピソードはこのことだったんだ」「このキャラ同士に血縁関係!?」と話が繋がっていくなど、ゲームを進めれば進めるほどストーリーや世界観にハマっていくというのも、フォントが世界観をうまく表現できていているからだと思っています。
搭載できるフォントの容量を考えて、セリフにも工夫を
今はキャラクターだけで800体は超えているのですが、このプロジェクトに関しては、シナリオや戦闘中に出てくるカットインセリフなど、膨大なテキスト量を弊社のディレクターが1人で全部考えて書いています。
先ほどもお話ししたとおり、家庭用ゲーム機に比べるとスマートフォンは圧倒的に性能差がありますので、削れるデータはギリギリまで削るというのがあります。そのため、データの容量を少しでも減らせるように、使用頻度の少ない文字は、開発のデータベース上にもともと載せていないものがあるんです。
ディレクターは、限られた状況の中で、その文字を使わないようにしつつ、プレイヤーが感情を揺さぶられる物語、忘れられない台詞、違和感を持たない別の言い回しに変えて状況の説明するなど、文字の力を最大限に活用しています。
文字の表示に制限がなければ、多くの言葉を尽くした説明で分かってもらうという手法もあると思います。ですが、スマートフォンのような、小さな限られた画面の中では、表示できるテキストのスペースにも限りがありますから、交通広告のように短いフレーズで「見やすく、分かりやすく、印象に残る」フォントとは何かというのも、しっかりと考えていくポイントだと思います。
統一感を大事にすると、自然と使っているフォントが一緒になる
『ロードラ』のプロモーションをする立場からすると、フォントと関わる機会としては、公式サイトやプロモーションビデオ、ポスターの制作などがあります。
公式サイトで使用するフォントは、ゲームとの統一感を大切にするために、メインで使っているロダンNTLGやロウディを採用しています。違うデザインのフォントを使うのも1つの手法なのかもしれませんが、統一感を持たせることで、安心感が出てくると思うんです。公式サイトを見にきてくれているお各様に対して、『ロードラ』の世界観を感じていただけるように。
ただ、制作するものによって異なるのですが、フォントを指定して作ってもらうことって、実はあまりないんですよ。こちらからは、プロモーションの方向性・意図を伝えるだけで、フォントの種類などに関してはデザイナーさんの感性にお任せするのが一番なのかなと思っています。それでも『ロードラ』に関しては、多くのプロモーション媒体でゲーム内のフォントが使われています。これは、『ロードラ』のゲーム内で使われているフォントが、『ロードラ』の雰囲気や世界観に欠かせないものになっているんだと感じてます。
プロモーション部 中村 信彦 氏
プロモーション部 中村 信彦 氏
▲ 「ROAD TO DRAGONS(ロード・トゥ・ドラゴン)」プロモーションビデオ
0:07 ロダンNTLG 「千年ごとにドラゴンがあらわれ」
0:16 キアロ 「ROAD TO DRAGONS」
0:18 ロダンNTLG 「パネルを選んで」
0:42 ロウディ 「スーパーレア!」
ロードラは「文字のチカラ」で支えられています
私たちは2人とも『ロードラ』が大好きで、サービスインから「どっちの方がランクが上か」「今、どこで経験値ためてる?」ってずっと競いあっているんですよ。もっと良いものにアップデートしたり、プロモーションしたりするからには、やり込んでないと表現できないし、伝えきれないと思っているのもあります。ですが、純粋にこのゲームが好きなんだと思います。
パネルアクションとストーリーのどちらも楽しんでもらえるのがこの『ロードラ』の魅力ですが、その一翼であるストーリー性が活きてくるのは、シナリオが良いのはもちろん、テンポよく読み進められることにもあると思います。
これは読みやすいデザインだったり、雰囲気を感じさせるデザインによる【文字のチカラ】ですよね。フォントワークスさんに支えられているおかげだと思っています。
<編集後記>
スマホアプリである『ロードラ』は、サービスイン後も、新しいシステムを入れたり、限定イベントを行ったりと、プレイヤーに喜んでもらうために沢山のアップデートを重ねているということでした。フォントワークスは、今後も様々なデザインの書体をリリースすることで、少しでもイマジネーションを膨らませるお手伝いができるように努めて参ります。
企業情報
社名 | 株式会社アクワイア |
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所在地 | 東京都千代田区外神田1-16-9 |
URL | http://www.acquire.co.jp/ |
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