Type1フォント問題を解決するために『Monotype LETS』という選択肢

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Type1フォントとは、『PostScript Type1フォント』のこと。DTP の黎明期から長く使われてきたType1フォントですが、Adobeのサポートは2023年1月で終了すると発表されおり、最新のAdobe CCでもフォントリストに表示されません。

Type 1フォントのサポートが終了することで、デザイン・DTP の現場では、「欧文環境をどうしたらいいの?」と、不安な声が多く聞かれます。
安心して仕事を続けるためには何が必要なのか。
今後選ぶべき欧文フォントサービスのポイントについて、ここで改めて考えてみましょう。

欧文和文に関わらず、商用利用が可能で品質の良いフォントの調達には、どうしても費用がかかります。欧文の場合、多くのフォントメーカーは1書体ごとのダウンロード販売を行っていますが、数千円から1万円を超えるものが多く、ファミリーで揃えようとすると3〜5万円必要になります。複数あるType 1フォントを置き換えようと思うと、十数万円〜数十万円の予算を用意しなければなりません。また、海外のWebサイトでの決済や、サポートには不安のある人も多いでしょう。

今回紹介する『Monotype LETS』は、和文フォントでおなじみのフォントワークスが提供する年間定額制のフォントサービスです。

Monotype社は130年の歴史を持つ世界最大のフォントメーカーでHelvetica、Frutiger、Optimaなどのメジャーで高品質な欧文フォントを有しています。また欧文だけでなく、『たづがね角ゴシック』のように和文や多言語対応フォントもあります。そのMonotype社のフォントライブラリから年間のライセンスで9000以上の書体を自由に使えるのが『Monotype LETS』です。
契約や決済、サポートも日本語で受けられるほか、フォントデザイン の種類やウエイトなどの条件でフォ ントを検索し、Web ブラウザでボタンをクリックするだけでアクティベートも簡単。1ユーザー2台のデバイスで同時使用が可能です。また、 LETS の加入者同士であれば、フォントリストを共有してフォント環境を揃えることも可能になっています。今後も安心して使い続けられる欧文環境を整えたいなら、『Monotype LETS』導入を検討してはいかがでしょうか。





Monotype LETSユーザーインタビュー

幅広いデザインのフォントを自由に、安心して使えるようになりました

岡田奈緒子 (LampLighters Label)京都市出身。ロンドン芸術大学 London College of Printing、Typographyコース卒業。永原康史事務所を経て、2014年に企画・編集・執筆・デザイン・制作を一貫して行なうデザイン会社・ランプライターズレーベルを設立。書籍、写真集、図録等のブックデザインや展示グラフィック、ブランディングなどを手がける。東京造形大学非常勤講師。東京綜合写真専門学校非常勤講師。 LampLighters Label

海外の印刷物の和訳版や、和書の英訳版の仕事を数多く手がける
ランプライターズレーベルの岡田さん。

「英語の仕事はもちろん、日本語主体のデザインであっても必ず合成フォントを作るので、仕事の中で欧文フォントを使う率は100%です。
よく使うのは、Garamond、Avenir、Univers などのベーシックな書体で、エレガントな雰囲気のデザインをしたいときはDidot。その他に制作物のイメージに合わせてスポット的に選ぶフォントもあります」


以前は必要に応じてフォントを購入していたそうですが、数年前からMonotype LETSを導入しています。

「1書体ごとに購入した場合の費用は膨大です。いろんなフォントを使いたくなってきたこともあり、サブスクリプションを選びました。
またMonotypeは私にとって、デザイン面でも、品質面でも信頼できる安心のブランドです。ベーシックなものから個性的なものまで、幅広くデザインが揃っているのも決め手になりました」


欧文フォントの品質には、デザイン的な美しさはもとより、ウエイトが豊富に用意されていることや、多言語対応、記号などの文字数が揃っていることも重視しているのだそう。

「アクサンやマクロンといった記号類が出ないと困る場面があります。またウエイトが揃っていないと、和文フォントと自然に組み合わせることができません」

Monotype LETSを導入してからは、数多くのフォントから自分のイメージに合ったものを選べるようになったという岡田さん。

「Type1フォントの既存データもまだ残っていますが、今後はMonotypeに完全に切り替え、欧文環境をすっきりさせたいです」

「美しい自然の色図鑑 1000点の博物画で ひもとくカラーチャートの歴史」/グラフィッ ク社刊/編者:パトリック・バティ/監修:石 井博(植物・動物)・宮脇律郎(鉱物)

原書のイメージを大切にした和文欧文の組み合わせ
鮮やかな動植物画が美しい翻訳本です。原書のイメージを損なわないようデザインさ
れたカバーのタイトル部分にはエレガントでクラシカルな印象のDidot、編者紹介の文
章はゴシック体の和文にAvenirを組み合わせています

「サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法」ポスター/宇都宮美術館

ユーモアと遊び心ある世界観をタイトルで表現
サヴィニャックのポスター展のグラフィックでは、鮮やかな黄色の背景にインパクトのあるフォントBraggadocioを使用。サンセリフにモダンな味わいを加えた歴史ある書体で、シンプルで力強いフォルムと、ユーモラスな表現で知られるサヴィニャックの世界観を表しています

Didot
Avenir(混植の欧文部分)

世界的なメーカーの高品質なフォントが使用できる年間定額制フォントサービス『LETS』

フォントワークスが提供する、年間定額制のフォントサービスLETS(レッツ)。筑紫シリーズで人気の『フォントワークスLETS』の他に、『Monotype LETS』『昭和書体LETS』『イワタLETS』『モトヤLETS』『YOON LETS』『方正LETS』の世界的なフォントメーカーによる6種のプランが用意されています。高品質で多彩、多言語に対応したフォントを商用利用することができます。書体見本は検索機能が充実していて選びやすく、アクティベートもプラウザでクリックするだけです。

この記事は2022年3月29日発売『+DESIGNING Vol.53』(マイナビ出版)(文・伊達千代)より転載したものです。


※2023年4月20日を持ちまして、『昭和書体LETS』の新規お申込み・更新受付は終了しました。

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