第11回 埼玉県 深谷市役所 様

Interview

広報ふかや

深谷ねぎで全国的に有名な深谷市は、埼玉県の北部に位置し、緑豊かな自然、農工商のバランスのとれた産業、豊かな歴史と伝統文化を有する活力のあるまちです。 古くは上杉氏の城下町、江戸時代には中山道の宿場町として栄え、日本近代産業の礎を築いた大実業家・渋沢栄一の生誕地でもあります。その渋沢翁によって日本初の機械式煉瓦工場が設立され、ここで造られた煉瓦は東京駅をはじめ明治から大正にかけて多くの近代建築に利用されています。

利根川と荒川に狭まれた肥沃な土地は農業に好適で、特産物の深谷ねぎをはじめとして、ほうれん草、きゅうりなど県内一の農業生産高を誇ります。

また、市の花であるチューリップの切り花栽培も盛んで生産高は全国一の規模。野菜と花のまちとして着実に発展を遂げています。

書体デザインと新書体の無償提供が導入のポイント

深谷市秘書室 室長補佐兼広報係長 澤出 晃越 氏

深谷市では広報紙「広報ふかや」の編集制作の効率化と経費削減を目指して、昨年DTP化する際にLETSの導入を決定しました。 「LETS導入の動機は、経費削減はもちろんのこと、広報紙のDTP化です。LETSを選択したポイントは、いくつかのフォントメーカーの書体を比較検討した上で、書体のデザインが気に入ったことと、年会費だけで新書体が無償で使えることが一番の魅力でした。」そう語るのは深谷市秘書室 主任 森氏。

「一般にはなかなかフォントって意識はないと思うんです。私達もDTPを導入するまではそういう意識は割と希薄でしたが、導入にあたりましてLETSを初めて知りました。導入前は実際問題フォントは印刷会社さんに字体のイメージだけお伝えしてお任せしていました。ところがそれが今は私達自身のイメージで選べるようになり、文字も書体の好みやフォーマットが時代の流れと同様に変わっていくことを理解したうえで、なおかつLETSの年会費制という提供方法が今の時代のニーズにマッチしていると思い導入を決めました。一般のイメージですと、明朝体とかゴシック体とか当たり前にあって当たり前に使えるというイメージですが、DTP向けのフォントは多種多様で、使用に関して様々な取り決めがあるということも初めて知りました。」(室長補佐兼広報係長 澤出氏)

>>> 広報紙をDTPでご自身達で手がけていくことに対してはかなりの決断を要したと思いますが、具体的にはどんなことがきっかけだったのでしょうか。 「正直申し上げると、やはり経費削減!これが何と言っても決め手ですね。単に担当者がパソコンを使いたいから、好きだからという理由で導入するわけにはいきません。DTPの導入によって経費削減や効率的な編集が見込めるか、なおかつ担当者がパソコンに習熟しているかという点があげられます。現在の広報紙担当者が以前からパソコンに習熟していましたので、導入するなら今がチャンスだと考えました。」(澤出氏)

経費削減と制作時間の短縮に成功

深谷市秘書室 主任 森 久高 氏

導入の効果について、広報紙の制作に携わる森氏と吉田氏は次のように語ります。

「DTPを導入してからは、時間外勤務が極端に減りました。以前はレイアウト用紙に手書きというアナログな手法で原稿を作成していました。真っ黒になるまで書いては消しを繰り返して、夜遅くまで泣きながらやっていましたね。導入後は効率的な原稿作成が可能になったほか、校正も作業効率がアップし、情報の鮮度が飛躍的に良くなりました。」(森氏・吉田氏)

「昨年DTPを導入して1年が経過し、経費削減と制作時間の短縮に成功しました。経費削減に関しては、設備投資費に教育研修費を合わせたうえでも総合的に経費削減が実現できました。また、時間外勤務に関してはおそらくどこの自治体でも悩みの種になっているかと思いますが、職員の負担の軽減と人件費の削減、これも大きな意味で経費削減につながっています。時間外が多いと労働環境の問題にもなりますから、そういった意味ではDTPの導入は二重にも三重にもうまくいっていると言えます。現在は職員1人につき1台のパソコンが割り当てられいて、職場環境が整ってきたということも1つの基盤になっていますし、若手の職員は子供の頃からパソコンに触る機会が多く、能力的にも私達の世代では歯が立たないくらい習熟しています。今後、人事異動で担当者が替わっても、比較的なじみやすくDTPに取り組み、これまで蓄積した実績を受け継ぐことができるのではないかと思います。」(澤出氏)

印刷会社とフォント環境の統一で安心

深谷市秘書室 主事 吉田 雅之 氏

「現在の広報紙制作は、WindowsマシンにレイアウトソフトはAdobe InDesignを採用、フォントはLETSのOpenTypeフォントという環境で制作を行っています。紙面づくりで様々なフォントを使用するのですが、LETSには多種多様なフォントがあるため大変助かっています。印刷はLETSを導入している印刷会社さんにお願いしており、常にフォント環境が揃えられるので安心してデータ制作が行えます。また、広報紙や役所の中のお知らせなどもそうですが、DTPで制作をはじめてからはギリギリの時間まで記事を編集でき、より新鮮な情報を提供できるようになりました。」(森氏)

毎月発行する「広報ふかや」以外の用途として、年一回発行する子供向けの広報紙に使用実績があります。その他、ちょっとしたチラシや社内資料をWordなどで作成するときにも見栄えをよりよくするため使われています。 「LETSはフォントの種類が多いため、実はまだ全部の書体を使いこなせていません。力強い文字や、優しいやわらかい文字など、紙面の内容によって効果的に使うことができればと思います。」(吉田氏)

>>> 導入後の広報紙について市民の反応はどうでしょうか。

「見やすくなったというお声をいただく一方、逆に見づらくなったとのご意見もあり賛否両論です。一人一人の好みもあるとは思いますが。現在、深谷市ではユニバーサルデザイン化に取り組んでいますが、紙面の文字を大きくしたり、なるだけ情報を減らさないようにしながら文字数を減らし読みやすくするなど、その中でフォントをより効果的に使えるよう、すべての人々にわかりやすく見やすい広報紙づくりを目指して取り組んでいます。」(澤出氏)

子供の興味をひく書体

「今後リリースされる新書体に期待しています。具体的には子供が読みたくなるような興味を持ってくれそうな書体があるといいですね。今年リリースされるぶどう-Lは、素朴で優しい感じがしてとてもいいですね。」(森氏)

「もうひとつの要望として、カタログに載っている書体見本とは別に、紙面サンプルがあると非常に参考になると思います。もっとも、LETSは全書体を表示・出力して見比べることが可能ですので、試行錯誤することでそのものズバリのイメージはつかめるのですが・・・。雑誌などは参考にしていますが、DTP やデザインに関してはもともと素人ですし、特にフォントに関してはまだ知識が浅いので、複数の書体で文字組みしているサンプルがあればイメージが湧きやすくなり、よりよい紙面づくりの手助けになると思います。」(澤出氏)
<後記>

東京駅をイメージして建てられた赤煉瓦調のJR深谷駅。どこか懐かしいノスタルジックな雰囲気を醸し出しているすてきなまちです。深谷市民のみなさんに、より優しく読みやすい「広報ふかや」が提供されるためのツールとして、これからもフォントワークス・LETSがお役に立てることを願っています。。

企業情報

社名 深谷市役所
所在地 埼玉県深谷市仲町11-1
TEL 048-571-1211(代表)
FAX 048-574-8531
URL http://www.city.fukaya.saitama.jp/

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